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入門解説

Xの「おすすめ」はどう決まる?公開コードから仕組みをやさしく解説【2026年】

「同じように投稿しているのに、伸びる日と伸びない日がある」。そう感じたことはありませんか。Xの「おすすめ(For You)」に何が出るかは、アルゴリズムという計算の手順で決まっています。うれしいことに、この手順の中身はGitHubで公開されていて、誰でも見られます。この記事では、その公開コードを実際に読み、おすすめができるまでの流れを、プログラミングを知らない人でも追えるようにやさしく解説します(2026年7月19日確認)。

公開日 2026.07.19 / 最終確認 2026.07.19

アルゴリズムとは

ここで言うアルゴリズムは、「たくさんの投稿の中から、あなたに見せる順番を決める計算の手順」のことです。人が1件ずつ選んでいるのではなく、決められた手順にそってコンピュータが自動で並べ替えています。その手順の中身が、コードとしてGitHub(コードを公開・共有できるサイト)で見られる状態になっています。

この記事の要点

  1. 30秒でわかる結論:おすすめは「反応の予想」で決まる
  2. おすすめができるまでの4ステップ
  3. 点数はどうつく?「反応の予想」の足し算
  4. コードで分かること・分からないこと
  5. 2023年の公開コードと何が変わった?
  6. 仕組みを知ると、投稿はどう変わる?
  7. よくある質問

30秒でわかる結論:おすすめは「反応の予想」で決まる

先に結論をお伝えします。Xのおすすめは、ざっくり言うと「この投稿を見せたら、あなたは反応しそうか?」をコンピュータが予想し、その予想が高い投稿から順に並べる仕組みです。ここで言う反応とは、いいね・返信・リポスト(拡散)・じっくり読む、といった動きのことです。

大事なのは、フォローしている人の投稿だけが出るわけではない、という点です。公開されている説明書(README)には、フォロー中の投稿と、フォロー外から見つけてきた投稿を混ぜて並べ替える、とはっきり書かれています。つまり、フォロワーが少なくても、反応されそうだと予想されれば、知らない人のおすすめに出る可能性はあります。

もうひとつ。この予想には、いまのXでは「Grok(グロック)」というAIをもとにしたモデルが使われています。ここから、その中身を順番にほどいていきましょう。

おすすめができるまでの4ステップ

公開コードの説明書を読むと、おすすめは大きく「候補を集める→ふるいにかける→点数をつける→最後のチェック」という流れで作られていることがわかります。まずは下の表で全体像をつかんでください。

おすすめ(For You)ができるまでの流れ(公式リポジトリの説明書をもとに整理)
ステップやっていること根拠
1. 候補を集めるフォロー中の投稿と、フォロー外からAIで見つけた投稿を広く集める公式リポジトリの説明書(Candidate Sourcing)
2. ふるいにかける重複・古すぎる投稿・自分の投稿・ブロックやミュート相手の投稿などを先に外す同(Pre-Scoring Filters)
3. 点数をつける残った投稿ごとに「反応されそうか」を予想し、点数(スコア)をつけて並べる同(Scoring)
4. 最後のチェック点数の高い順に選び、表示してよいか・重複がないかを最終確認して見せる同(Selection/Post-Selection Filters)

ステップ1:候補を集める

最初に、あなたに見せる「候補」になりそうな投稿を広く集めます。ここには2種類あります。フォローしているアカウントの投稿(イン・ネットワーク)と、フォローしていないアカウントの投稿(アウト・オブ・ネットワーク)です。フォロー外の投稿は、AIが「この人の好みに合いそう」と探し出してきます。この段階では、まだ順番は決まっていません。まずは幅広く集めるのが仕事です。

ステップ2:ふるいにかける

集めた候補を全部見せるわけではありません。点数をつける前に、明らかに向かない投稿を先に外します。公開コードには、重複した投稿・古すぎる投稿・自分自身の投稿・ブロックやミュートした相手の投稿・ミュートしたキーワードを含む投稿を取り除く、と書かれています。ここで一度、候補がしぼられます。

ステップ3:点数をつける

ここが心臓部です。残った投稿1件ごとに、「あなたが反応しそうか」を予想して点数をつけます。この予想を担うのが、Grokをもとにしたモデルです。点数の付け方は次の章でくわしく見ます。

ステップ4:最後のチェック

点数の高い順に上から選び、最後にもう一度チェックします。表示してよい内容か、同じような投稿が重なっていないか、といった確認です。X公式ヘルプでも、有害・攻撃的・スパム的な内容は表示前にフィルタする、と説明されています。こうして残ったものが、あなたの画面に並びます。

点数はどうつく?「反応の予想」の足し算

点数のつけ方には、はっきりした形があります。公開コードの説明書には、最終スコアを「それぞれの行動の“起きそうな確率”に、重みを掛けて合計したもの」として表しています。式で書くと「点数 = (行動Aの起きやすさ × 重み)+(行動Bの起きやすさ × 重み)+ …」というイメージです。

むずかしく見えますが、考え方はシンプルです。モデルはまず、投稿ごとに「この人はいいねしそうか」「返信しそうか」「リポストしそうか」といった、いろいろな反応の起きやすさを予想します。そして、それぞれに重み(重要度)を掛けて足し合わせ、1つの点数にまとめます。この点数が高い投稿ほど、上に表示されやすくなります。

では、どんな反応を予想しているのでしょうか。現行の公開コードには、予想している行動の種類が一覧で載っています。主なものを、意味と「点数にとってプラスか、マイナスか」で整理しました。

現行アルゴリズムがモデルで予想している主な反応(公式リポジトリの説明書に記載の項目より抜粋)
予想する反応どんな動きか点数への向き
いいね・返信・リポスト・引用投稿に対する分かりやすい反応プラス方向
クリック・プロフィール閲覧投稿や投稿者に興味を持って開く動きプラス方向
じっくり読む(滞在)・動画視聴・画像拡大すぐ通り過ぎず、時間をかけて見る動きプラス方向
共有・投稿者をフォロー人に勧める・関係を深める動きプラス方向
「興味がない」・ブロック・ミュート・報告見たくない・不快だという反応マイナス方向

注目したいのは、プラスの反応だけでなく、マイナスの反応も予想している点です。「ブロックされそう」「報告されそう」と予想される投稿は、点数が下がる向きに働くと考えられます。つまり、無理に目立とうとして不快がられる投稿は、かえって伸びにくくなる設計になっている、と読み取れます。じっくり読まれる(滞在)ことも予想の対象に入っているので、最後まで読みたくなる中身かどうかも効いてきそうです。

「いいねは◯倍」の数字に注意

ネット上には「いいねは何倍、返信は何倍で計算される」といった具体的な倍率の解説をよく見かけます。ただ、公開コードから読み取れるのは「確率に重みを掛けて足す」という式の形までで、その重みの正確な数値まで確かめられる形では確認できませんでした。ですから、具体的な倍率の数字は、当てにしすぎないほうが安全です。

コードで分かること・分からないこと

公開コードは便利ですが、「全部わかる魔法の書」ではありません。読み取れることと、読み取れないことを、はっきり分けておきましょう。ここを混ぜないことが、攻略情報に振り回されないコツです。

おすすめの仕組みについて「確認できること・解説が言うだけのこと・分からないこと」の分類
分類内容
公開コードで確認できる候補集め→絞り込み→点数づけ→表示という流れ。予想している反応の種類。点数が「確率×重みの合計」という形であること。フォロー内とフォロー外を混ぜていること。
解説記事が言っているだけ(要注意)「いいねは◯倍」「返信は◯倍」といった具体的な重みの数値。特定のテクニックで必ず伸びるという話。
今のところ分からない重みの正確な数値。公開されているコードが、実際に動いているシステムと完全に同じかどうか。日々の細かな調整。

とくに大事なのが、いちばん下の「公開コード=実際の動きと完全に同じとは限らない」という点です。会社が公開しているものと、サーバーで実際に動いているものが、細部までぴったり一致している保証はありません。だからこの記事でも、確かめられた流れは事実として説明し、数字や細部の断定は避けています。「どこまで公開されたのか(公開の範囲そのもの)」という話は、別の記事Xのオープンソース化はどこまで?で整理していますので、あわせてどうぞ。

2023年の公開コードと何が変わった?

実は、Xが推薦アルゴリズムを公開したのは今回が初めてではありません。2023年にも一度、コードが公開されています。当時のものと今のものを見比べると、変化がよくわかります。

2023年に公開されたコード(twitter/the-algorithm)では、フォロー中の投稿を探す「Earlybird(アーリーバード)」という仕組みがあり、その説明書には、候補のおよそ半分がここから来る、と書かれていました。並べ替えには「Heavy Ranker(ヘビーランカー)」というニューラルネットワーク(データから規則性を学ぶ仕組み)が使われ、ほかにも興味の近いユーザーをまとめる部品や、投稿の安全性をチェックする部品など、役割ごとにたくさんの部品が組み合わされていました。

いまのコード(xai-org/x-algorithm)では、この「点数をつける頭脳」の部分が、GrokというAIをもとにしたモデルに置きかわっています。説明書には、このモデルの土台がxAIの公開したGrokの技術から来ていると書かれています。大きな流れ(候補を集めて、絞って、点数をつけて、見せる)は共通していますが、中心のモデルが新しくなった、というのが2023年からの一番の変化です。なお、2つのコードは公開の条件(ライセンス)も違い、2023年のものと現行のものでは、利用・改変してよい範囲が異なります。

仕組みを知ると、投稿はどう変わる?

ここまでの内容を、明日からの投稿にどう生かせるでしょうか。テクニックというより、「向き合い方」のヒントとして3つにまとめます。

  1. 反応したくなる中身を大切にする:点数は「反応の予想」でつきます。裏ワザを探すより、いいね・返信・最後まで読む、が自然に起きる投稿を目指すのが結局の近道です。じっくり読まれることも予想の対象なので、書き出しだけでなく中身の充実も効いてきます。
  2. 不快がられない工夫をする:「興味がない」「報告」などのマイナスの反応も予想されています。過激な言葉で無理に注目を集めると、かえって点数を下げかねません。目立つことと嫌がられることは違う、と意識しておきましょう。
  3. 数字の攻略情報を鵜のみにしない:「いいねは◯倍」式の断定は、公開コードでは確かめきれません。細かい係数を追いかけるより、仕組みの大枠を押さえて落ち着いて続けるほうが、振り回されずにすみます。

そして、これらはあくまで「そう読み取れる」という話で、「これをやれば必ず伸びる」という保証ではありません。実際の表示は一人ひとりの反応で変わります。仕組みを知る目的は、攻略というより、思い込みで焦らないための土台づくりだと考えるのがおすすめです。投稿づくりそのものの手順はX投稿のプロンプト、運用全体のどこにAIを使うかはX運用のAI活用ガイドで解説しています。

よくある質問

アルゴリズムのコードを読めば投稿は伸びますか。

コードは仕組みを理解する材料にはなりますが、それだけで投稿が伸びるとは限りません。実際の表示は日々のデータや一人ひとりの反応で決まり、コードを読んでも同じ結果を再現できるわけではないためです。仕組みを知るのは、思い込みで振り回されないために役立つ、と考えるのが現実的です。

「いいねは◯倍」といった数字は本当ですか。

公開されているコードからは、各行動の確率に重みを掛けて合計するという式の形は読み取れます。ただし、その重みの具体的な数値まで確かめられる形では確認できませんでした。ですから「いいねは何倍」のような具体的な倍率は、当てにしすぎないほうが安全です。

フォロワーが少ないと、おすすめには出ませんか。

出ないとは限りません。おすすめには、フォロー中の投稿だけでなく、フォロー外から見つけてきた投稿も混ざる仕組みになっています。フォロワー数だけで表示が決まるわけではなく、投稿への反応など複数の材料が使われます。

この記事はいつ時点の情報ですか。

2026年7月19日に、公式リポジトリの説明書(README)とX公式ヘルプを確認した内容です。仕組みは更新されることがあるため、公式リポジトリの大きな更新があれば、おおもとの情報を優先して直します。

検証日と更新方針

この記事は2026年7月19日に確認した内容です。おすすめの仕組みは、今後モデルや部品が入れ替わる可能性があります。公式リポジトリの説明書が大きく更新されたときや、全コードの公開が実際に行われたときは、おおもとの情報を優先して本文と最終確認日を直します。数値や細部は、確かめられた範囲だけを説明し、断定は避けています。

確認に使った情報(2026年7月19日確認)

xai-org/x-algorithm(現行の推薦アルゴリズム公式リポジトリ・Grokベース・確認時点でApache-2.0)

twitter/the-algorithm(2023年公開の推薦アルゴリズム・確認時点でAGPL-3.0)

X公式ヘルプ:For You Home Timeline Recommendations

X公式ヘルプ:About your For you timeline on X

「どこまで公開されたのか」という現在地はXのオープンソース化はどこまで?、仕組みを踏まえた投稿づくりはX投稿のプロンプトで続けて読めます。事実の扱い方は編集方針もご覧ください。

仕組みを実践につなげる

おすすめの仕組みを踏まえ、X運用のどこにAIを使えるかを6工程で整理しています。

活用の全体像を見る

更新方針

公式リポジトリの大きな更新や全コード公開があれば、おおもとの情報を優先して直します。

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